暖簾の色で使用してはいけない色があるかを気にする方がいますが、結論現代では気にする必要はありません。昔の暖簾の地色は藍や柿渋で染めていた為、紺・藍・縹・柿・茶・浅葱等が主でした。中でも紺・藍が一番多く主に手堅い商売が使用しており、縹色(紫がかった青)は華やかなため、花暖簾や遊郭に使われていました。他にも柿色も水商売、茶色は煙草屋、浅葱色(藍より淡い青)も遊所、白地は砂糖を使用する薬屋や菓子屋に使用されていました。公家の色である紫は唯一禁色であり、庶民は使用を控えておりました。他にも明るすぎる為、商品に影響の強い緑・黄色はあまり使用されていませんでした。あくまで、これは江戸時代あたりまでのお話で、徐々にその習慣は薄れてきました。生活様式や商習慣の変わった現代ではあまり捕らわれる必要はないと思います。逆に昔のルールを敢えて踏襲するのは、面白いかもしれません。いまでも、永年続く和菓子屋さんは白が多い気がします。